しかし、しかーし! ビールを飲むだけが、オクトーバーフェストの楽しみ方ではないのです!会場にはもちろん巨大なビアホールが立ち並んでいますが、同時にそこは遊園地と化し、ジェットコースター、観覧車からお化け屋敷と楽しいアミューズメントが目白押し!今回は、日本人にはあまり馴染みのない、しかし、体験してみると、とっても面白い、そして伝統的なアミューズメントを幾つか紹介します。是非、みなさんもビールを浴びるように飲んだあとに、もしくはビールを飲む準備体操として、これから紹介するアミューズメントを体験してみてください。
悪魔の円盤 Teufelsrad
今回、一緒に行った日本語学校T先生の旦那さんでミュンヘン育ちのAさんの一押しアミューズメントが、この「悪魔の円盤」。すごい面白いんだよ、これが!
また、アナウンスのオッチャンの毒舌コメントや仕切りもこのアトラクションの目玉。
最初に、オッチャンが、例えば
「じゃぁ、10歳から15歳までの女の子!」
と、ゲームに参加できる人の条件をアナウンス。すると、イッセイに自称、条件をみたす人々が、円盤の中心めがけて飛び込みます。中には条件に当てはまりそうもない人々もチラホラ。そうすると、すかさずオッチャンの突っ込みが入ります。
例えば、10歳までという条件なのに、どう見ても15歳くらいの女の子が円盤の上に座っていたりすると、
「ちょっと、そこの赤いスカートのおじょうちゃん、立ってみな!」
「10歳には見えないな、本当に10歳?放射能に汚染されたもの食べて大きくなっちゃったのかな」
など、ちょっと毒がありすぎなコメントをぶちかまします。
このアトラクションでは、とにかく円盤の中心をとることが、一番大事。端に座っていると、遠心力で早い段階で、はじき飛ばされてしまうから。だから、我先にと、人々が円盤めがけて殺到するのです。
中央に陣取ったからといって、まだ油断は禁物。人数が残り少なくなると、今度は天上からつり下げられたボールや、円盤の外から投げ入れられる綱が、人々を円盤からはじき出そうと襲いかかってきます。多くの困難を乗り越え最後まで円盤に残った人には、観客から大きな拍手や、オッチャンからの賛辞(もしくは毒舌コメント!?)が送られます。そして、最終的に円盤からはじき出されるまで、ロープとボールが総攻撃を仕掛けてきて、最後の人がはじき飛ばされたらゲーム終了。次のゲーム再開、となる訳です。

悪魔の円盤入場料:大人5ユーロ、子供3ユーロ
一回入場したら、時間制限や回数制限なく、悪魔の円盤を楽しむ事ができる。
ノミのサーカス Flohzirkus
たびたび、オクトーバーフェストといえばあれ、見た?と語り種になるノミのサーカス。今まではどこにあるのか気づかなかったし、探す事もしなかったけれど、今年は行ってきましたよ!
サーカス会場は小さな小屋で、20人ほどが観覧可能。ノミたちの活躍する舞台を取り囲んで席が並んでます。
何が起こるんだろう、そもそもノミなんて見えるンかいな?とドキドキしながら待っていると、ノミの調教師(?)の登場です。彼がノミの出身地やら名前を紹介し、ショーの開幕です。メインメンバーである一匹のノミと、そのノミを観察するための虫眼鏡が客席を一巡した後、ノミの馬車レース、サッカーの試合と続き、質疑応答でフィナーレ。その間、約10分ほど。あっという間の出来事。
感想は、「これだけ? ちょっと高くないか?これ」。
えー、観劇はオススメ、しません。アシカラズ。話のネタにはなりますが。
ノミのサーカス、HPあるんだね
大人5ユーロ、子供3ユーロ(12歳まで)
※ここからは、独り言なので、興味のない人は読み流してほしい。
ノミのサーカスは、考えてみれば結構なキワモノで、いわば見世物小屋の最後の生き残りといってもいいだろう。確か「犬を見て、自分は人間であると再認識する」と言ったのは寺山修司であっただろうか。いわゆるガリバー世界を体験することにより、当たり前の世界を相対化し、ありえたはずの平行世界を夢想する、もしくは現実世界にそういったドラマツルギーによって異化作用を与え、世界を作り変えていくエネルギーを生み出す、見世物小屋とは、そういった舞台装置だったと言えるし、寺山修司の天井桟敷や土方巽の暗黒舞踏の流れもそこから生まれてきたのではなかったか、と曖昧だが、記憶している。
観客は、ノミがサーカスなんてできるのか、という疑問から興味を刺激され、ほとんど見えないノミのスケール世界を体感し、オクトーバーフェストという別世界の中で、更なる別世界を垣間みる事になる。
あるいは、まるでドラえもんのガリバートンネルのように、大人の視点からノミのスケールへとイメージを飛ばす過程で、舞台一番前の列に陣取っている子供達の視点に自分の視点が重なった時、人はありし日の幼かった自分の見た情景を思い出し、懐かしき日々へ思いを馳せるのではないだろうか。
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