2019年9月10日火曜日

ヴェネツィア vol.1 ヴェネツィアの情景を描き出す名所

2019.08.23-25

今回は、小学生高学年と低学年の息子たち二人とヴェネツィアを旅してきたが、旅をする前に、事前の準備をしておいた。というのも、長男がまだ一歳の時に、イタリア、シエナへの無謀旅をして、我が家ではシティートリップは禁じ手となっていたから(この話はおいおい、しようと思う)だ。
その準備というのは、〜映画「スパイダーマン:ファー•フロム•ホーム」を見る事〜
「アベンジャーズ:エンド-ゲーム」の続編で、修学旅行中のスパイダーマンがヨーロッパを舞台にアクションを繰り広げる、2019年(今年)に公開された映画。スパイダーマンがリアルト橋の周りで水の怪物と戦ったりする、あれですね。
だから、といってはなんだけど、まず最初に訪れた名所はリアルト橋。宿も近かったので、とりあえずリアルト橋のたもとで水上バス、ヴァポレットを下車。宿のある対岸へ、橋をこえました。
リアルト橋
かつては木造の橋だったけれど、1444年にはパレードの見物人の重みで崩壊。橋が崩壊して運河に放り出されるって、めっちゃくちゃこわいですね。また、火災などで幾度も再建されたので、議会は石橋にすることを決定、デザインを公募。このコンペにはミケランジェロやパラディオも参加。す、すごいメンツ。設計勝者はアントニオ•ダ•ポンテ氏。1591年竣工。
この橋を支えるために何と12000本の木杭が基礎として打ち込まれている、っと、え?片側だけで6000本?6000本といえばそれだけで相当な面積をカバーできそうな数なんだけど、どうやって打ち込んだんだろう?それとも重層させて打ち込んでいるのかなぁ?
  • 余談だが、ミュンヘンの新市役所の地下鉄工事では、たしか建物の重量を支えるために土壌を凍らせて地耐力を向上させている。まさに現在工事が進行中で、マリエン-プラッツの反対側、マリエン-ホーフ側から工事の進捗状況を観察することができるようになっている。興味のある方、ミュンヘンに用事のあるかたは、是非、立ち寄ってみてください。
リアルトという名前はイタリア語のRivo alto、高い岸辺という言葉に由来し、この周辺が比較的浅瀬だったために早い時期から商取引が盛んに行われ、かつては街の中心部だった。
橋の上にはショップが立ち並び、フィレンツェのヴェッキオ橋を連想させる。

サン-マルコ広場
貿易で栄えたヴェネツィアを象徴する広場、サン•マルコ広場。ドュカーレ宮殿、サン•マルコ寺院、鐘楼などが立ち並ぶ。当然のごとく、これら名所前には長蛇の列ができていたので、今回は鑑賞せずに、広場のみを、〜これがナポレオンが「ヨーロッパで最も美しい大広間」といった、あれかぁ〜、と嘆息しながらただただ横断。

広場は海側から見ると狭く、広場に入ると大きく感じる奇妙な空間だった。昔日、長い航海から帰港した人々は、何を想い、船上からこの広場を眺めたのだろう。帰郷への安堵か、はたまたこれから得るであろう商利益への喜びか。

海に面して二本のコラムがたち、一方には有翼の獅子が、もう一方には聖テオドーロ像が柱頭にたっている。「かつてギロチンの処刑はこの柱の中央で行われた。そのことを知る現地の人々は、柱の間を通る事をしないそうだよ」、と息子に解説したその日には、柱のちょうどど真ん中に露天商がでてましたけどね。。


サン-ジョルジョ-マジョーレ教会
サン-マルコ広場から望む島の上に立つ、ルネッサンスの巨匠、パッラーディオが設計した教会。パッラーディオはヴィツェンツァを中心に、北イタリアで活躍した建築家で、ロトンダやテアトロ-オリンピコが有名。当教会は1610年竣工。
教会ファサードはヴェネツィアのマスクのように、教会建物の正面にペタっと貼付けられたように見える。上部ペディメント(日本建築でいうなら屋根の妻側、破風部分)を支える構造物が下屋の建物のうえに覆い被さっているようにも見える。額が突き出たようなこのデコッパチが、海からみるサン•マルコ広場のくぼみに対応しているような気もする。
教会内部には巨大な本を積み重ねたような芸術作品が展示され、作品内部に入る事ができた。この作品に関連したコンセプトスケッチや、木製のオブジェが付属修道院の中庭に展示されている。幾つもの書籍が重ねられたように見えるそれらは、歴史の重層の結果であるヴェネツィアの街そのものに見えた。



教会付属の塔に登った。内部にはエレベーターがあり、扉が閉まると、一気に天空へと駆け上がる。息子たちは、しかし、徒歩で登りたい、と言っていたが。エレベータの扉が開くとパノラマが目の前に広がり、一気に子供たちのテンションが上がった。「ウォー」という歓声が、ヴェネツィアの街の上空めがけて解き放たれた。
塔からの眺めは素晴らしい。太陽に照らされ続けた体から、優しい風が、火照りをさらって吹き過ぎてゆく。修道院の庭の植栽迷路を上空から解くことができるのも、この昇塔の愉楽のうちの一つであろう。
  • 教会内部、入場無料。塔は入場料、大人5ユーロ、子供無料
  • サン-マルコ広場の乗場から2番線のヴァポレットに搭乗すると辿り着く事ができる。わずか一駅。乗場では行き先に注意して搭乗してください。乗場には必ずこれから向かう各停車駅の名前が掲示されています。
以上、数あるヴェネツィアの名所の中から、情景を決定づけている名所中の名所を幾つか紹介しました。観光の際の参考にしてください。
  • ところで、突然話は飛ぶが、建築家パッラーディオが登場したので、もう一人、ヴェネツィアを代表する建築家、カルロ-スカルパについて。今回は、ビエンナーレのベネズエラ館は見れたが、次回はクエリーニ-スタンパリア-ギャラリーを絶対に訪問しよう。
  • クエリーニ-スタンパリア-ギャラリー
  • http://www.querinistampalia.org/

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